交通事故に遭うと、いわゆる「むちうち」(外傷性頸部症候群)の症状を発症することが非常に多いです。
むちうちになると、治療が長引くことがあり、加害者の保険会社との間でトラブルになることも多く、後遺障害の等級認定を受ける際にもさまざまなハードルがあります。
交通事故のむちうちの症状及び後遺障害等について、あい湖法律事務所の弁護士が解説します。

むちうちとは

むちうちとは、首のあたりにある頸椎が、外部からの衝撃によって損傷を受けることにより、発症するさまざまな症状です。
正式には「頚部捻挫」「頚椎挫傷」「外傷性頸部症候群」などの診断名がつきます。むちうちになったときに医師に診断書を作成してもらうと、上記のような診断名となります。
むちうちは、追突事故などで発生することが多いです。

むちうちの原因

むちうちの原因は、交通事故の衝撃により、頸椎がS字型に「しなる」ことです。頸椎が、一瞬、不自然な形に「しなる」ことによって、頸椎が損傷してしまい、痛みやしびれなどのさまざまな症状が出ます。
ただ、骨折に至らない場合、外傷はありませんし、見た目にはわからないことが普通です。
受傷直後には、何の痛みやしびれなどの症状も起こらないこともあり、2~3日してから自覚症状が起こってくることもあります。

むちうちの症状

むちうちになると、以下のようなさまざまな症状が起こります。

  • 肩や腕、背中の痛み、しびれ
  • 身体のだるさ、重さ
  • 吐き気
  • めまい、耳鳴り

頸椎の損傷が自律神経や交感神経節にまで及び、「バレリュー症候群」となると、上記に足して、さらに重い、いろいろな症状が起こります。

  • 難聴
  • 眼精疲労、目の調節障害や流涙障害
  • 動悸、息切れ
  • 食欲不振、胃重感
  • 腹痛、下痢・便秘
  • 手足の冷え
  • 頭重感

むちうちの治療方法

むちうちの、基本の治療方法

むちうちになったときには、投薬治療や電気治療などを継続的に行い、痛みやしびれなどの症状が緩解するのを待つ治療方法が基本となります。
ただ、痛みなどの症状が酷い場合には、神経ブロック注射や硬膜外ブロック、トリガーポイントと呼ばれる注射をするケースもあります。こういった注射は、交感神経を抑制して、交感神経と副交感神経のバランスを整えることにより、急性の症状を緩和するものです。
また、バレリュー症候群となっており、頸椎が変性している重篤なケースにおいては、外科手術を行うことも稀にあります。

整骨院での治療について

むちうちの治療で、整骨院を利用することも多いです。
整骨院では、マッサージなどの施術を受けることにより、症状の緩解が期待できます。
むちうちのケースで整骨院への通院は有効なケースは多いのですが、注意しないとトラブルにつながることがあります。
整骨院の「先生」は、「医師」ではなく、「柔道整復師」であり、診断・診察をすることができません。また、治療及び後遺障害の判断に必要となる検査(MRIやCT、レントゲンなど)や投薬も受けられません。整骨院にしか通っていない場合には、あとあと、治療費(期間)について問題が生じたり、後遺障害認定を受けられなくなってしまいます。したがって、定期的に整形外科を受診する必要があります。

むちうちで受診すべき治療機関とタイミング

むちうちの、基本の治療方法

追突事故などに遭ったとき、すぐには痛みやしびれを感じないことがあります。
そのようなときでも、まずは事故直後に「整形外科」を受診しましょう。実際にむちうちになっていても、事故後、2~3日くらいたってから、ようやく自覚症状が出てくることもあるからです。そのようなとき、「事故当初から病院に通っていた」という治療実績を作っておく必要があります。整骨院に通院することも可能ですが、定期的に整形外科への通院も継続して、医師に症状の経過を見てもらっておくことが重要です。

なお、バレリュー症候群になっている場合には、整形外科ではなく、麻酔科やペインクリニックへの通院が必要になることがあります。自分では判断がつかない場合、まずは整形外科に行き、そこで適切な治療機関を判断してもらうと良いでしょう。

むちうちで認められる後遺障害の等級

交通事故でむちうちになった場合には、以下の2種類の後遺障害等級が認定される可能性があります。

  • 12級13号(局部に神経症状を残すもの)
  • 14級9号(局部に頑固な神経症状を残すもの)

むちうちで後遺障害認定を受ける方法

むちうちで後遺障害認定を受けるためには、以下の要件を揃えることが必要です。

  • 後遺障害に該当する症状があること
  • 事故によって症状が発生していること
  • 事故によって症状が発症することが相当であること
  • 一貫した症状が継続していること

以下で、順番に見ていきましょう。

後遺障害に該当する症状があること

まずは、それぞれの後遺障害に該当する症状があることが必要です。
該当する症状は、12級と14級で異なり、12級の方が重い症状であることが必要です。
12級が認定されるためには、MRIやCT、レントゲンなどの画像検査により、他覚的に症状が証明される必要があります。こうした画像所見によって異常が発見されない場合には、12級13号の後遺障害を認めてもらうことは困難で、狙えるのは14級9号のみとなります。
むちうちの画像検査で特に有効なのは、MRI検査です。MRI検査機器には、精度もさまざまですので、なるべく高い精度の機器を使っている医療機関で検査を受けることが大切です。
また、「神経学的検査」という検査手法も重要です。神経学的検査とは、知覚や反応などを調べることにより、症状を確認する検査です。
たとえば、医師が患者の首を曲げて痛みが発生するか調べたり(ジャクソンテスト、スパークリングテスト)、腱反射を調べたり(腱反射検査)可動域を確認したり(可動域検査)、指先を触って感覚を確かめたり(知覚検査)、力比べをしたり(筋力検査)など、さまざまな検査手法があります。
こうした検査により、自立症状に合致した症状を「推測」できる場合には、例え画像による異常所見がなくても、14級9号が認定されます。

事故によって症状が発生していること

交通事故とむちうちの症状との因果関係も必要です。事故とは関係ない既往症によって症状が発生しているなら、後遺障害は認められません。

事故によって症状が発症することが相当であること

交通事故の程度の問題です。むちうちの症状が発生してもおかしくないくらいの強度の事故であったことが必要です。

一貫した症状が継続していること

患者が、交通事故直後から、一貫した矛盾のない症状を訴えていることも重要です。訴える自覚症状の内容が変遷していると、症状が疑わしいと判断されて、後遺障害が認定されにくくなります。

12級と14級の違い

むちうちの12級と14級の違いは、画像所見があるかどうかということです。
12級の認定を受けるためには、画像による他覚所見が必要です。
もし、MRIなどで異常が認められない場合には、まずは、より精度の高い機器で撮影し直してみましょう。神経学的検査などを受けていて、14級の等級認定を目指すと良いでしょう。ただし、神経学的検査は、事故後すみやかに受けている必要があります。

弁護士に依頼するメリット

むちうちの後遺障害等級認定を弁護士に任せると、以下のようなメリットがあります。

被害者請求により、高い等級の後遺障害認定を受けられる

弁護士が後遺障害等級認定を代行する場合「被害者請求」という方法を利用します。これは、被害者自身が加害者の自賠責保険に対し、後遺障害認定申請をする方法です。
この方法によると、被害者に有利な資料をより積極的に提出することができますし、手続きに透明性が保障されて、より高い等級の後遺障害認定を受けやすくなります。

適切な検査方法、治療方法を選択できる

弁護士に相談していると、後遺障害認定に必要な検査や適切な治療の受け方についてのアドバイスを受けられます。
受診すべき医療機関や通院頻度、相手の保険会社が治療費を打ち切ってきたときの対応方法などについて、正しく判断できるため、後に不利益を受ける可能性が小さくなります。

手間が省ける

被害者が自分で被害者請求によって後遺障害等級認定申請をすると、非常に手間がかかりますし、スムーズに進まないことも多いです。
弁護士に手続を依頼すると、すべての手続きを弁護士が代行するため、被害者はほとんど何もする必要がなく、治療に専念することができます。

弁護士基準を適用して、慰謝料を増額できる

後遺障害認定を受けた後、実際に示談交渉をするときにも、弁護士に依頼すると大きなメリットがあります。弁護士が示談交渉をするときには、「弁護士基準」という高い賠償金計算基準が適用されるため、被害者が自分で交渉する場合よりも、大幅に賠償金の金額が上がるからです。

参考までに、むちうちの後遺障害慰謝料は、以下の通りです。

  • 自分で交渉する場合(目安)

    • 14級 40万円
    • 12級 100万円
  • 弁護士が交渉する場合(目安)

    • 14級 110万年
    • 12級 290万円

つまり、弁護士に対応を依頼するだけで、後遺障害慰謝料が3倍近くに上がるということです。弁護士費用を支払っても、十分に利益が出ますし、弁護士費用特約を利用していただけたら、弁護士費用はかかりません。

あい湖法律事務所は、交通事故被害者様のサポートに非常に積極的に取り組む法律事務所です。むちうちの後遺障害認定にも精通しており、12級、14級の獲得実績も高いです。
東京オフィスもあり、関西・北陸・関東・東北近辺で交通事故に遭われた方は、是非とも一度、ご相談下さい。

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