自分に非がないのに、不当な示談金の提示があり納得いかない。

滋賀県大津市在住

自車:大型自動二輪
相手:普通自動四輪
道路:直進カーブ
態様:相手がセンターラインをオーバーして走行してきたため、正面衝突

  • 495万5035円(受取金額)
  • 左橈骨遠位粉砕骨折、左肩腱板損傷、右下腹部挫傷、右中指捻挫
  • 14級9号

後遺障害等級及び提示を受けた示談案が納得できない。

概要

1 事故態様

とても気の毒な事故でした。
片側1車線の道路を直進し、ゆるいカーブに差し掛かった時、飲酒居眠り運転の車が、センターラインを越えて、逆走してきました。
突然目の前に車が現れ、避けることも出来ず、正面衝突しました。

依頼者は、二輪車であったため、前方へ投げ出されました。右下腹部を、自車の右ハンドルが右下腹部に突き刺ったたことが幸いだったのか、前方へ投げ出されるスピードが落ち、左橈骨遠位粉砕骨折、左肩腱板損傷、右下腹部挫傷、右中指捻挫の重体でしたが、一命をとりとめました。
また、上記のような大きな事故ではありましたが、幸いなことに、大きな後遺症が残らなかったです。といっても、左手首の運動制限及び疼痛、右下腹部の疼痛という後遺症残りました。

2 相談内容

事前認定において、14級9号を獲得されておられました。そして、かかる等級を前提とした示談案の提示を受けておられました。当然、赤い本基準での提示ではなく、自賠責基準より少し多い程度の提示でした。飲酒居眠りして事故に遭い、後遺症も残ったのに、納得できる金額でないとお怒りでした。また、物損においても、依頼者は、バイク好きで多数の改造をしておられ、それらの改造が全く考慮されていないことに納得できないとお怒りでした。

解決までの流れ

1 物損について

改造が、その物の客観的評価を上げるものでないと、なかなか賠償してもらえないのが現実です。相手の保険会社担当者も、一般的に認められないものを請求して、賠償額を上げてくれません(相手の保険会社担当者もサラリーマンですから、裁量にも限度があり、上司の決裁がおりないのでしょう)。そこで、事故車両は、経済的全損でしたから、買換え費用(消費税、手数料、等諸費用)を上乗せするという形で、粘りずよく交渉をしました。結果、時価額に加えて、10万円の賠償金を勝ち取りました。

2 人損について

 ⑴ 後遺障害について

ア 左手首運動制限

左手首に運動制限が残ったものの、非該当でした。というのも、主たる運動にはほとんど制限がなく、回転運動に制限があったため、12級6号の範囲に入らず、非該当でした。運動制限に関しては、明確な基準が存在しているため、この判断を覆すことは出来ませんでした。

イ 左手首の疼痛

一番軽い後遺障害となる14級9号に大変ご不満をお持ちでした。粉砕骨折をして、痛みが残るのに、なぜ一番軽い後遺症なのかと。
まず、症状固定前に撮影した左手首のMRI画像を確認させていただきました。そして、専門医に画像鑑定をしてもらい、自覚症状に見合う、客観的所見を求めましたが、明確とまで言える所見は獲得できませんでした。そこで、再度、通院いただき、現状の自覚症状を裏付ける客観的所見の獲得をめざしましたが、いろいろな病院へ行くも納得のいく所見が得られませんでした。

ウ 事故態様について

加害者の刑事処分も確定したということであったので、実況見分調書を取り寄せました。事故直後の写真を見ると、本当に大変な事故であったことが一目見てわかりました。そこで、どれだけ大きな事故だったのかが、わかるような資料を作成しました。

エ 以上の点を考慮して、画像鑑定報告書、診断書、事故状況の報告書を作成し、12級13号であると異議申し立てをしました。しかしながら、残念なことに、結果は、事前認定と同じ14級9号でした。
オ 結果を踏まえて、一部突っ込みどころがあったので、資料をそろえて、再度の異議を申し立てました。しかしながら、結果は同じでした。

 ⑵ 傷害慰謝料について

下部に表示している赤い本別表Ⅰの基準は当然支払ってほしいと交渉するとともに、本件事故の状況態様を考えると、基準を超える賠償が必要であると、交渉に交渉を重ねました。また、その主張を補完するため、病院から全部の医療記録を取り寄せました。

 ⑶ 逸失利益について

14級ですと、労働能力喪失期間は、一般的に3年から5年と言われています。しかし、到底5年程度で解消されるとは思えない状況でした。そこで、さらなる期間の延長を求めて、交渉しました。また、労働能力喪失率は、5%ですが、これもさらに高い割合での賠償を求めて交渉しました。

事例のまとめ

最終的に、粘り強い交渉の末、訴訟外で、慰謝料を赤い本別表Ⅰ基準の1.3倍、労働能力喪失率は5%のままですが、労働能力喪失期間を10年とすることが出来ました。しかしながら、依頼者様は、納得がいかないようでした。

訴訟を提起することも検討しましたが、依頼者様は、これ以上の通院や心的負担は耐えられないということで、渋々納得いただきました。

当事務所としては、出来る限りのことはやりつくしたと思います。しかし、依頼者様に納得して、喜んでいただけなくて、とても残念です。

赤い本別表Ⅰ

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