鎖骨変形障害(後遺障害12級5号)による65歳以上無職男性の主夫休損が認められた事例

京都府京都市在住

相談者:原動機付自転車
相手:普通乗用自動車
道路:ややカーブしており、左手から合流車線のある道路
態様:カーブに沿って直進していたところ、後方から同じ方向へ直進追抜車両と接触

  • 5,212,592円
  • 右多発肋骨骨折、右鎖骨骨折、右肩甲骨骨折、右肺挫傷、右血気胸
  • 12級5号

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相談内容

事故後すぐの頃は、相手の過失だということで謝罪に来ており、反省している様子だったので刑事事件の方も厳罰を望まないと回答していたのに、損害賠償の話になって、こちらの過失が大きい事故だと言われて全く納得できない。
相手方に代理人弁護士がついており、連絡のやり取りも苦痛なので、こちらも弁護士に任せたいとのことで当事務所にご依頼いただきました。

解決までの流れ

①相手方からは、過失割合として少なくとも依頼者の方に75%の過失がある事故だとの主張がなされており、当初から過失割合について当方の主張と大きな差異がありました。
当方としては、当方バイク・相手方車両であることや道路形状・相手方が後方からの衝突であること等を主張し、相手方の方が過失が大きい事故であることを主張していましたが、具体的な交渉に入る前の段階で、後遺障害の異議申立中に、相手方代理人から調停申立てがなされ、調停内においても相手方からは少なくとも50:50以上の過失割合では和解できない・逸失利益や休業損害についても認められないとの主張であり、話し合いでの解決の余地がないため、訴訟移行となりました。
訴訟では、調停時に争点となっていた過失割合や逸失利益・休業損害にとどまらず、入院期間や治療期間の相当性も改めて争われ、争点は多岐にわたりました。
た。

②変形障害の後遺障害の場合には、逸失利益を認めない、すなわち労働能力には影響しないという主張は保険会社からは良く出される主張ですが、今回のケースでは、変形に伴う痛みを訴えており、後遺障害認定の際に変形障害の後遺障害等級に含めて評価されているということを訴訟上でも改めて主張を行いました。変形障害であっても、その影響で肩の痛みが残っている以上は労働能力に影響を与えるという主張です。
一方、依頼者の方は事故時には既に定年退職後の無職の男性であったため、具体的な減収の立証ができず、逸失利益としての主張の中身についても補充が必要でした。この点については、事故前に奥様と協力してご家族の介護に従事していたこと、事故後には従前のようにご家族の介護に従事することが出来なくなったことなどについて、ご本人や奥様の詳細な陳述書を提出し、家事従事者と同程度の評価をすべきだという主張を行いました。
結果としては、家事や家族介護については奥様とお二人で担っていたということで、裁判所の和解案としては基礎収入を一般的な主婦の場合の半額としたうえで、喪失率や喪失期間については当方の主張通りの認定での和解案が示されました。

③過失割合については、ドライブレコーダー等もなく、実況見分や当事者双方の主張のみから認定する他ない状況でしたが、最終的には当方過失30:相手方過失70としての和解案が提示されました。

④入院期間・治療期間についても、カルテに基づいて双方から詳細な主張が出されていましたが、最終的には入院期間は全て当方の主張通り実際の入院期間が認められ、治療期間についても、後遺障害診断書記載の症状固定日とその前の通院日との間が約2か月程度空いていたのですが、実際の通院がなかった最後の2か月うちの半分までは治療期間として入通院慰謝料の和解案が提示されたので、大半の主張が認められた形になりました。

⑤調停時点では、「過失割合5:5以上では認められない」「逸失利益も認めない」と主張しており、訴訟開始時の相手方の主張する当方の損害額も、過失相殺後の損害が約116万円であり、既に自賠責への請求によって受領している約325万を超えて賠償義務はないとの主張でしたが、訴訟での和解案では詳細な裁判官の意見が付されており、最終的には裁判所和解案通りの和解(自賠責からの既払金約325万円)に加えて200万円の賠償義務を認める。但し物損につき一部相殺)が成立し、解決に至ることが出来ました。

事例のまとめ

過失割合の争い、特に事故状況について争いがあるケースで、事故直後と相手方の言い分が変わるケースは多々あります。また、この事案でも事故直後の相手方の言い分が記載されている可能性が高い供述調書の文書送付嘱託を行いましたが、これについては認められませんでした。このケースでは、実況見分調書や道路形状から示せる範囲で出来るだけの主張を行うことで、事故状況については全ての主張が通ったわけではありませんが、最終的な過失割合としては当方の主張に近い割合での和解案を勝ち取ることが出来ました。
また、本件では逸失利益については、変形障害であったことや、専業主婦の配偶者のいる定年退職後の無職男性であるなどの点でハードルがいくつかありましたが、ご家族の詳細な陳述書の提出なども功を奏して、家事従事者の半分ではありますが和解案に載せることが出来ました。
最終的には既払金を除くと、当初の相手方の主張が0円だったところから、200万円の支払義務を認める和解となり、お時間はかかりましたが、結果として満足の行く結論を得ることができ、大変お喜びいただけました。

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